KAME LOG

想いのままに…

ドラマ『霊験お初〜震える岩〜』

 

宮部みゆき原作の物語が映像化されました!

 

右京之介:京本大我

お初:上白石萌音

 

物語のあらすじは以前このブログで小説の紹介をしたので省略します。

 

kamelog2024.hatenablog.com

 

こっから先はドラマ感想なので、ドラマ未視聴の方はお気をつけ下さいまし。

 

 

【感想】

ドラマはお初の不思議な力を目の前で見た根岸備前守鎮衛が、お初を不思議な物語集めに協力させる所から始まります。お初はやる気なし!…でしたが(笑)、兄・六蔵の顔を潰さぬ様、一応引き受ける事に。そして原作では色々細かく描かれていましたが、ドラマではこのすぐ後に鎮衛(略し方が合ってるか不明w)によって出会う事になります。

 

萌音ちゃんの顔は昭和美人さんだからお着物や髪型がとてもよく似合っていて可愛い。何も驚きは無かったんですけど、大我くんの髷が思っていたよりも似合っていてビックリ!綺麗なお顔ってのもありますが、イケメンはどんな髪型でも似合うというのを証明してくれたキャラクターでした。

…推しだから大袈裟に感じている感が多分にありますw

 

原作では3章に別れていました。それぞれの始まりが全く違う物語の様に始まり、でも物語の芯は全てに繋がっている為、少しずつバラバラに見えていたパーツが繋がっていきます。

また、右京之介は頼りない姿を最初の章の半分以上で見せていましたが、ドラマではテンポ良く謎を解決するべく右京之介の推理がポンっと出てきます。

これには「うまいっ!」って思いました。

原作の様に、たくさん情けない姿を見た後に突然の名推理を披露されたら驚きますよね。ドラマではテンポが良すぎてあまりヒントが無い様に感じました。そんな状態で披露される突然の名推理。どっちにしても驚く理由を作ることが出来る為、上手い脚本だと思います。

 

2章目にあたる男の子の殺害事件と震える岩。

犯人と思われる男から漏れる「りえ」という言葉。どこかに繋がりがあると推理し、何とか墓地まで辿り着き、死に人憑きが誰なのかを突き止めます。死に人憑きが封印されていた墓石を倒してしまったが為に解き放たれ、そこからりえさんへと繋がりご対面というストーリー。

りえさんがお初の手を触り、死に人憑きが生まれてしまった理由をりえさんの記憶を通して知る事になります。

 

愛しているから自分が守りたい。守れないくらいならば自分の手で愛する者を殺して自分も一緒に死んでしまおう。この世は地獄。あの世で幸せになろう。

 

成仏出来なかった魂が100年も彷徨い続けている理由がコレでした。

そして、死に人憑きにトドメをさした侍が赤穂浪士の1人だったという繋がりがあって、やっとここで忠臣蔵を核として物語が全て繋がります。

 

ここの倉科カナのお芝居に泣きそうになりました。すごいな、この役者さんは。女優さんて興味ないから好きな人いないんですけど(笑)、お芝居で言ったら倉科カナのお芝居は好きになりました。

 

最後の章。

右京之介と父親の確執がドラマでもしっかりと描かれています。

確執の原因の1つとして宮野真守が演じる小野重明が出てきます。ドラマではさらっと。さらっとですが大事な重明と右京之介が似ているというシーンはありました。このシーンがないと父親の不安や闇が読み取りづらいですからね。さらっと流れてしまいそうなシーンではありますが、右京之介と父親との関係性を表す大事なシーンです。

 

そして高嶋政宏の素晴らしいお芝居が見られる最終章。

顔の芝居が秀逸でございました。

 

最後はお初が赤穂浪士の助けを借りて死に人憑きを成仏させて一件落着。

 

エンディングは茶屋でお団子を食べるお初と自分の人生を選び生きて行く決意をした右京之介。ここで「お初に伝えたいことがある」と話し出す右京之介。

2章の辺りで算額に集中するあまりお初の言葉が耳に入っていなかった右京之介に理由がわからなかったお初は「右京之介に嫌われたかも…?」と不安になる様子が描かれています。これはちゃんと和解するんですが、和解したからこそ右京之介が言う「伝えたい事」が愛の言葉だと期待するお初。直接的な言葉はありませんが、お初と右京之介の表情や態度からその様に読み取ることが出来ます。

ただの時代物ミステリィだと思っていたのに、まさか最後にラブ匂わせがくるとは思いませんでした。でも、ここは宮部みゆき作。ほっこりした笑いで終わらせる素晴らしいエンディングでした。そして、このバディの作品をもっと見たい!と思わせてくれた脚本と映像でした。

 

そうそう、映像に関して何も書いていませんでした。

死に人憑きの映像が結構グロくて「おわぁぁぁ!」ってなりました。ご飯食べながら見ていたから(笑)

食事しながら見ようと思っている方は気を付けて下さい。←ここで書くことじゃないw

 

私は結構面白いと思ったので、連ドラにする必要は無いですが、この様な脚本だったらまたいつかスペシャルドラマとして放送して欲しいです。